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★神君カエサル★
(Divus Caesar)
Last modified: Wed, 03 Oct 2001 16:39:29 +0900

神になったカエサル

 紀元前44年3月15日、元老院の議場であったポンペイウス回廊でカエサルは凶刃に斃れました。皮肉にも、足下に倒れたカエサルをポンペイウス像が見下ろしていました。
 享年55歳、暗殺者はブルートゥスとカッシウスの一味でした。

 カエサルの身の上に起こる凶事についての予兆は数多くあったと言われています。
 ある予言者がカエサルに3月15日に起こる大きな危険を予言していました。その日、カエサルが元老院の議場に向かおうとしている途中でその予言者に会ったので、ふざけて「たしかに3月の15日が来たね」と言うと、その予言者は「いかにも、でもまだ終ってはいませんよ」と答えました。
 また、その前日(3月14日)、マルクス=レピドゥスに食事に招かれた時、「どういう死に方がよいか」という話題になりました。それに対してカエサルは「予期しない突然の死だ」と答えました。この答えはいかにもカエサルらしいと思います。現世にあるあらゆるもの…人に対しても物に対しても執着しないその生き方が私は好きです。(カエサルは終身独裁官になりさらには王になりたがっているとして、カエサルのことを功名心や名誉慾のかたまりみたいに言っている人もいますが、それは違うと思います。ローマを共和制から帝政へ移行させるための革命を成し遂げるためには、それができる権力が必要です。だから、それを求めただけで、カエサルにとっては権力は目的ではなくて手段だったのだと思います。)ただ未完成の仕事については心残りがあったかもしれませんが、それさえも死が邪魔をするのであればいかんともしがたいと、執着心をスッパリ切り捨てられる爽やかさ。(もし、同時代に生まれていたら愛人になりたかったわ。でも、正妻はいや。『妻』の座に納まっちゃうと、どうしても浮気が許せなくなるから。もし、私が男だったらカエサルの下で働きたかった。でも、私は無能だから「いらん」と断わられそうだ…(^_^;)。)

 この当時のカエサルの妻はカルプルニアでしたが、彼女は理性的な女性であったそうです。(カエサルとは気が合ったんじゃないかな♪。)その彼女が3月14日の夜、悪夢にうなされているのを、同衾していたカエサルは気がつきました。その夢とは、カルプルニアが暗殺されたカエサルをその腕に抱いて悲嘆にくれているものだったと言われています。夜が明けた時、カルプルニアはいつもの彼女には似つかわしくもなく、「できるなら元老院の会議を延期してもらって、出かけないで欲しい」とカエサルに懇願しました。また重ねて「私の夢見を気にしないのなら、せめてもう一度ほかの占いで大丈夫だということを確かめて欲しい」と頼みました。普段は迷信にとらわれない女性であるだけに、カエサルもカルプルニアの取り乱しようが気になって、改めて人に犠牲を捧げさせてみましたが、なんとすべてが凶と出たのです。
 また、ブルートゥスたちの暗殺計画を察知して、忠告してくれる人も何人かいたのですが、結局、カエサルは迎えに来たデキムス=ブルートゥス(ガリア戦争当時カエサルの下で戦った人で、シェイクスピア作品で有名なマルクス=ブルートゥスとは別人ですが、カエサルに非常にかわいがられていたにも関わらずカエサル暗殺計画に荷担していました)の説得により、元老院会議に出席するために出かけ、殺されてしまうことになったのでした。